タイ下院の解散により、2023年5月14日に約4年ぶりに行われる総選挙に出馬する候補者が出そろい、タイは選挙一色となっています
特に今回は8年以上続いたプラユット首相率いる軍事政権が交代となるのか、タイ貢献党いわゆるタクシン派が新政権となるのか、元民主党が政権を取り戻すのか、またはどちらにも属さない新しい世代のリーダーが生まれるのか、タイ国中の人々の関心が集まっています。
国立開発行政研究院(NIDA)が2023年4月16日に行った世論調査によると、一番人気はタイ貢献党(プアタイ党)のペートンタン・シナワット候補(35.70%)、次に前進党のピター・リムチャルーンラット候補(20.25%)、3位は現首相のプラユット・チャンオチャー候補(13.60%)、4番目は“まだ誰に投票するかを決めていない”(6.10%)という結果になっています。
今回のメルマガでは、主要な候補者の政策を中心に、どのような点がタイ有権者の決め手となるのかについて情報を集めてみました。
特に今回は8年以上続いたプラユット首相率いる軍事政権が交代となるのか、タイ貢献党いわゆるタクシン派が新政権となるのか、元民主党が政権を取り戻すのか、またはどちらにも属さない新しい世代のリーダーが生まれるのか、タイ国中の人々の関心が集まっています。
国立開発行政研究院(NIDA)が2023年4月16日に行った世論調査によると、一番人気はタイ貢献党(プアタイ党)のペートンタン・シナワット候補(35.70%)、次に前進党のピター・リムチャルーンラット候補(20.25%)、3位は現首相のプラユット・チャンオチャー候補(13.60%)、4番目は“まだ誰に投票するかを決めていない”(6.10%)という結果になっています。
今回のメルマガでは、主要な候補者の政策を中心に、どのような点がタイ有権者の決め手となるのかについて情報を集めてみました。
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タイ国民の関心
タイのNation Pollによる調査によると、新政府に解決してほしい問題点が以下の通り挙げられた。(上位5項目)
- 雇用創出・賃上げ・技能教育…32.07%
- 生活費の値下げ(日用品や交通運賃、光熱費)…27.47%
- 借金問題の解決…12.68%
- 麻薬・覚せい剤問題の解決…5.79%
- 公共設備の発展(水道・電気・道路・交通・通信システムなど)…4.35%
また、投票の際に’政党で選ぶ’と答えた人は全体の約65%で、その理由として「政策が良い」「党首が好き」「同じ政党をずっと応援している」となっており、’候補者で選ぶ’と答えた人は「視野が広く先見の目がある」「リーダーの素質がある」「過去の経験や業績」「人として信頼できる」などといった理由が挙げられた。
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政党と立候補者
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【タイ貢献党】
インラック元首相が2014年のクーデターで退任するまで党首を務めた。農業従事者への支援などが評価され、現在でも特に東北地方で人気を得ている。
今回の選挙ではタクシン・シナワットの末娘のぺートンタン・シナワットを第一有力候補とし、16歳以上の全国民への給付金や、OTOP促進、覚せい剤の取り締まり、産業や環境問題など幅広い分野で政策を掲げている。 -
【タイ団結国家建設党】
プラユット首相を中心とする政党。南部で高い人気を誇る。負債を抱えている企業の救済や、生活保護者への補助金、子育て世代への補助金など、誰もが平等な社会を目指している。 -
【前進党】
プラユット政権の交代や王室改正などを求めてデモを行った「新未来党」の解散後に立ち上げた政党。党首のピター氏は過去にソムキット副首相が新世代起業家を育てる為に催したワーキンググループに参加していた。温暖化問題をはじめとする環境問題や農業政策などを政策に掲げている。
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【タイ貢献党】
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バラマキと選挙管理委員会の審査
立候補者の有権者に対する演説や選挙運動が過熱する中、その公約内容に実現性があるかどうか、タイにとって利益のあるものか、予算に見合った内容であるかどうか選挙管理委員会による審査が行われている。例えば、貢献党の「16歳以上の国民全員に電子マネーを通じて1万バーツ給付する」や前進党の「出生から老後すべての世代に福祉を」、また各党の電力の値下げなど、その予算確保の算出の見直しなどが言及されている。
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【タイ貢献党】
16歳以上の全国民に電子マネー(Digital Wallet)を通じて1万バーツを給付する。
上記を実現するためには約5600憶バーツの予算を確保しなければならず、現在の政府予算から確保できるのは2600憶バーツ。足りない分は今後増税の可能性やその他の方法で算出しなければならない。 -
【国民開発党】
アピシット政権時代に元財務大臣を務めたゴーン氏が党首を務める。タクシン政権の時代に副首相として経済産業界の発展に貢献したスワット・リプタパンロップ氏が会長。
電気料金の値下げのために、太陽光発電の自由化を推進する。現在の送電システムは国営企業のEGATが管轄しているが、それらをもっと自由に生産・販売する権利が得ることが出来ればもっと安価で平等な電力の流通が確保でき、結果電気料金の値下げにつながると確信している。
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【タイ貢献党】
外国投資家にとっては、どの政権が主導権を握ったとしても、前政権同様にEEC政策や環境対策、インフラ整備など経済活動が持続していけるような産業政策への支援を継続していくことが重要だとタイ政府機関も理解しているようです
主要な候補者一覧と各党公約の一例についてもしご関心ございましたら、添付をご参照ください。
2023Mayタイ総選挙 主要候補者一覧主要な候補者一覧と各党公約の一例についてもしご関心ございましたら、添付をご参照ください。