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メルマガ第19号【大麻の商業利用 バンコクのごみ問題】

2022年夏、日本でもお盆休みの時期に入り、夏季休暇で国内外に旅行する人が増えてきました。新幹線は乗車率が100%以上となる日もあり、飛行機も満席で予約の取れない便もあるようです。
海外からの旅行者も徐々に増え始め、今後の景気回復へとつなげていきたい社会の流れがある一方で、いまだ感染拡大に歯止めがかけられない不安が続いています。
これらの感染症とどのように向き合い共存していくことができるのか各国の動向が注目されています。

【非常事態宣言の延長】

2022年7月5日、プラユット首相は新型コロナ感染症対策センターとの会議で国内の新型コロナ変異株の流行を考慮して、非常事態宣言を9月末まで延期することを決定しました。
WHOの発表でも3月に監視対象に追加された派生型と言われるBA4株やBA5株、すでにヨーロッパやアメリカでは主要株として対応するよう置き換えていることを踏まえ、タイでは、最近の緩和策の強化に対して、感染拡大の影響がどのように現れるかを監視していく必要があると考えています。現在タイでは、軽度の症状や在宅治療の症例が増えていますが、入院する患者も微増しています。2022年8月12日時点で新規感染者は2,455名、死者33名と発表されています。
政府は、今後、新型コロナと共存して通常どおりの社会活動を取り戻すために、検査キットや治療薬の開発やワクチン接種の促進、そして今まで同様に室内の換気や消毒、人込みでのマスクの着用などを呼び掛けています。
特にワクチンは変異株に対しても重症化を避ける効果があり、現時点で感染拡大を抑止する最善の方法になっているため、ワクチン接種を推奨回数接種することの重要性を訴えています。
同時に、タイの主要な産業である観光を促進し、経済を前進させるために、旅行客の受け入れの必要性を繰り返し述べました。国の衛生管理指針に従いながら事業者が通常のキャリアに戻れることを望んでいます。

【大麻の商業利用】

すでにニュースでも取り上げられているとおり、タイではASEANで初めて大麻の栽培や商業利用が法律で認められました。
それを受けて、工業省では、大麻の商業利用がどれくらいの経済的効果をもたらすのかといった側面から、事業に参入する企業のための支援策を打ち出しています。
タイで大麻製品の商業的取り扱いに関する法律が整備されたことを背景に、米国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、そして中国、日本、韓国といった国際的な大麻産業市場は今後成長と飛躍が期待されています。
2020年の市場価値は14億2000万バーツでしたが、2027年までにその価値は約55億8000バーツ(CAGR 22.4%)まで成長すると予測されています。
工業省は、大麻植物産業の発展がタイ経済に付加価値を創出し、関連企業の収入、雇用の創出など持続可能な成長を遂げるタイの新しい経済プラントになると考え、行動計画を策定しました。これらは環境への配慮に焦点を当てた国家政策BCGにも対応しています。
また、農業の面でもタイをASEANの「工業用大麻作物」生産の中心になることも目指しており、5年以内に起業家が少なくとも250億バーツの収益を生み出すことと、農家の収入1ライ(約1,600坪)あたり20,000バーツを生み出すことが期待されています。

工業省産業経済局トンチャイ局長の発言:

大麻を商業的植物産業へと発展させていき、タイ経済発展の原動力とするために、まず、大麻加工産業の発展に焦点を当てていきます。そのための4つの対策として、工業省は下記のように計画しています。

  1. 研究開発および大麻産業チェーン全体の製品イノベーションの発展を支援

    • 製品のプロトタイプ開発を行い、工業規格で承認できるレベルの技術に発展させる
    • 研究と業界をつなぐネットワークの構築および知的財産の保護
  2. 中小企業に焦点を当てた商業的価値のある製品加工を促進させる

    • 大麻産業チェーン全体の人材育成および製品の国際規格へのアップグレードを目指す
  3. 市場開発

    • 「大麻フォーラム」の開催や世界的な市場進出を目的としたデジタルマーケットの促進
    • これらを通して事業機会を創出し、チェーン全体の製造物流とのつながりを発展させる
    • また、ヘンプ繊維から作られたテキスタイルの使用など、政府機関の需要なども含む
  4. 法律や規制の制定や改善、規格認証の利便性向上、国際基準への適合、農業の安定性などを確保するために Center of hemp Excellence (CoHE)を設立し、サプライチェーン全体を管理するためのプラットフォームを開発し、財政や民間投資をサポートする
大麻の植物は根、茎、樹皮、芯、葉、花序、種子など、あらゆる部分を製品化できるという価値から多くの国にとって重要な植物になる可能性を秘めています。
医学的なものから繊維製品、食品、飼料、化粧品、また次世代自動車や航空宇宙産業などタイ国家政策の中でも注目されているSカーブ産業も関連しています。
大麻産業は今後成長し多くの収益を生むと期待されています。

【バンコクごみの分別実証実験】

バンコク都内で地域を指定して、ごみの分別に関する実証実験を行うことを検討しています。
チャッチャート知事は以前より問題視されているバンコクのごみ処理に関して、住民の協力を仰ぎ、衛生的で環境にも優しいまちづくりを目指しています。
バンコクにおけるごみ処理にかかる費用は年間100億バーツかかっており、これらの費用削減のためにも、より効率的な方法で処理を行いたいと考えています。
現在、バンコクのごみ処理の流れは、第1プロセス(市民によるごみの廃棄)、第2プロセス(廃棄されたごみを種類ごとに処理場へ運搬する)、第3プロセス(それぞれの廃棄物に適した処理を行う)とわかれており、政府は第2、第3プロセスの管理を行っています。ごみ処理改善に最も重要なのは第1プロセスとなっており、民間の協力が不可欠となっています。

※第1プロセスにおいて住民は廃棄物を1)リサイクル可能なごみ、2)枝や葉っぱ、3)生ごみの3つに分けて廃棄することになっています。しかし、現状市民に分別の重要性が浸透しておらず、第2、第3処理への影響や環境汚染の問題が深刻化しています。
2022年現在、1日に廃棄されるバンコクのごみの量は10,706トン。その内、紙類やペットボトル、また肥料といったリサイクル可能なごみの量はわずか3,672トン。それ以外は焼却されるか、埋め立て処分になります。
埋め立て処分を2023年までに全体の30%にするという目標があり、それを実現させるためには焼却処分場の増設も必要不可欠となっています。
現在バンコクの焼却炉は1か所で処理能力は1日500トン。その他に事業許可が下りたばかりの2か所と今後建設が予定されている計4か所で処理を行えることになります。
バンコク県知事は環境部門の会議の中で、今後、市民にごみの分別について広く知ってもらい、ルール作りをしていくために、まず教育関連施設でのごみ処理、住居エリアごとのごみの特徴とその処理方法、施設ごとのごみの種類とその管理方法、また年間を通して行われる行事などで廃棄されるごみの種類の傾向などを調べてガイドラインを制定することについて話し合いました。
今後、ごみ処理のパイロットゾーンを設け、それぞれの地区で達成目標を設け計画に従って進められる予定となっています。
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