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タイ工業省事務次官 独占インタビュー! 後編

前回お届けした工業省コブチャイ事務次官のインタビューの後半をお送りしたいと思います。
引き続き、コロナ渦におけるタイ経済の現状や、今後タイで成長する可能性のある産業などについてご意見をいただきました。
最後には日本企業が継続的にタイとビジネスをおこなっていくためのアドバイスや日本に対する事務次官の率直なお気持ちについてお話いただきましたので、
そちらもご参照ください。
2021年4月7日 タイ工業省 事務次官オンラインインタビューの様子

『現在のタイ王国におけるビジネスマンの往来状況』

入国制限の緩和について前にも述べましたが、タイ政府はワクチンパスポートの採用について検討しています。
ワクチンを接種している渡航者に対して証明書があれば隔離条件が緩和されて入国ができるという仕組みです。
これについては近日中に正式に発表されるでしょう。(4月20日に導入のガイドラインが発表されました)
また一般的な隔離措置の緩和も段階的に進んでいくので、それに従ってビジネスマンの往来も増えていくでしょう。

また、最近プーケットやサムイ島といったリゾート観光地への旅行者を受け入れるツアーも催行するようになりました。ダイレクトフライトで現地へ行き、ホテルでPCR検査を受け、限定的なエリアで旅行を楽しめるパッケージツアーとなっています。
外国からの入国者については段階的に隔離措置が緩和されていきますが、今年10月頃には状況が落ち着き完全に隔離措置の必要がなくなれば、ビジネスマンの往来の再開が期待されます。
3/24―4/3に開催されたタイモーターショーでは、予約販売数が昨年度に比べて150%増となりました。その多くは次世代自動車です。
情報共有として、タイは2035年には新しくガソリン車の国内新規登録が不可になるという政策を検討しています。
2035年以降はタイ国内ではガソリン車の製造が可能ですが、それらは主に海外へ輸出するためのものになります。
今年中には電気自動車をはじめ、電気自転車、電気バイク、電気バス、電気トゥクトゥク、電気ミニバス、電気船、電車といった次世代車両の新しい政策が発表される予定です。

モーターショーには、外国からの来場者も多く見られました。渡航者はみな入国後14日間の隔離措置を経て展示会に臨んだようです。
特に日本や中国からの参加が数多くみられ、中国メーカーMGやGreat Wall(長城汽車)はオリジナルのセダンやピックアップトラック電気自動車の展示を行いました。
Great Wallは今年中にタイでの生産を開始する予定です。MGはすでにチョンブリー県で生産を始めていますが、Great WallについてはGM社のラヨン工場を買収しました。
日本の三菱自動車も今年1月からチョンブリーの工場でアウトランダーPHEVの製造を開始しました。

『現在、業績を伸ばしている業種』

現在、タイ産業の中で業績を伸ばしている業種としては、特に食品、加工食品です。withCovid19の現状の中、業績を伸ばしています。
その他には飲料、家庭電化製品、デジタル関連、電気電子回路、医療関連用品 たとえばゴム手袋や注射器などは海外からのオーダーも増え業績が良いです。

『タイ政府が次世代自動車以外に推進したい産業』

タイは2022年11月よりAPEのホスト国になることが決まっており、現在、その準備が進められています。メインテーマはBCG model です。
BCGとは、Bio Economy/Circular Economy / Green Economyの頭文字をとったものです。
現在、関連する省庁が、BCGモデルに沿った政策を進めています。Ministry of Higher Education, Science, Research and Innovation(高等教育科学技術イノベーション省)が本件についての取りまとめ機関です。

すでに取り組まれている事業例をご紹介いたします。タイでは農産物のオーガニック化に取り組んでいます。これは、環境問題を引き起こさないためです。
また、農産物から化学品の代替物を作ることも促進しています。例えば、砂糖から、乳酸を作り、乳酸をバイオプラスチックの原料に使用します。
PEやPVCに代わってバイオプラスチックをビニール袋や食器などに成型します。
ヨーロッパでは2022年から石油化学からのプラスチックペレットの使用が禁止されるという発表がありました。
アメリカやヨーロッパの政策に沿ってタイも経済のBCGモデルの形成に務めていきます。

『EECへの投資について』

タイ政府が推進しているEECへの投資に関して、BOI承認企業は税金の免除が受けられます。8年間法人税の免除、その後5年間は50%しかかかりません。
これらがEECへの投資の一番のメリットです。その他に機械の輸入や原材料の輸入関税も免除されます。
また従業員の育成などにかかる費用も政府から支援があります。政府は企業と一丸になって、産業の成長を支えていきます。
工場を建設段階から従業員の育成を開始することもできます。これらは労働省が管轄しています。
ソムキッド前副首相の政策により、BOIの恩典については企業によって独自の恩典を要求提案することも可能となりました。
BOIは企業から要求を受ければBOIはその要求提案を委員会に提出し、委員会はその検討をします。

EEC域内の産業ゾーンにはまだ余裕があります。現在も日本、中国をはじめとした外国投資企業がEECの敷地の見学に訪れています。
EEC周辺のエアポートリンク建設やウタパオ空港の再整備は予定通り進んでいます。エアポートリンクに使用する土地の収用が終わりました。
ウタパオ空港の増設される予定の滑走路については建設の公募が間もなく開始されます。
EEC政策についてはコロナ感染拡大の影響をあまり受けておらず、一番初めに申し上げた今年度の投資申請件数1717件の多くはEECへの投資となっており、
影響をうけているというよりか、投資は増加傾向にあります。

【最後に日本企業へ今後事業を続けていくためのアドバイスをいただきました】

タイと日本は、130年にもわたり友好関係を築いてきております。日本はタイにとって、とても大切なパートナー国であり、今後一緒に経済を発展していくためにも欠かせない存在です。多くのタイ人が日本人を尊敬しています。
世界的な自動車産業領域の動向として、今後、ガソリン自動車産業および石油関連産業は、減少していくと思われます。
これまで、自動車産業の領域で活躍されてきた企業は、新しい産業トレンドに沿った成長産業への参画および、事業の多角化へシフトすることが求められていると思います。

タイでは現在特に高齢化社会を支える医療関係の産業が求められており業績もよいです。
タイの大手石油会社PTT社も経済変化に沿って医薬品や医療機器などの医療分野の製造に事業多角化を行っています。
したがって、タイなどへ、海外投資をする日本企業もこのような新しいトレンドや成長産業に目を向ける必要があります。
日本企業がタイ企業と事業協力したいといった希望がありましたら喜んでご相談・お手伝いさせていただきます。
在東京大使館工業部を通して相談されてみてください。
現在、ガソリン車のサプライチェーンをどうするか、私のところに相談のアポが来ています。
シンガポールやインドネシアもすでに電気自動車導入を発表しています。もちろん、タイはまだガソリン車の製造輸出の拠点として機能していますが、
日本のメーカーにはもっと次世代自動車の製造にも力を入れていただきたいです。
日本の三菱自動車がタイで電気自動車のバッテリー製造を検討していると聞いています。
電気自動車製造にはバッテリー以外にもモーターやコントローラーといった電子部品製造の事業チャンスが多くあります。
日本にはこのような分野で活躍している企業がたくさんあります。今まで培ってきた高い技術とノウハウがあります。
もしこの分野に関心のある企業がいらっしゃったら、ぜひタイへの投資をしてほしいと思います。

もちろん、その他の産業である、医療機器分野やデジタル分野の投資も歓迎します。タイにとって非常に関心の高い産業分野です。
工業省として、今回のインタビューで大切な友人である日本の方たち、企業の皆さんへ、有益な情報をお届けできたらとても光栄です。
これからも助け合いながら両国が経済成長を続けていけたらと思います。

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